動脈硬化

自覚症状がなく進行する
動脈硬化

自覚症状がなく進行する動脈硬化動脈硬化とは、血管の柔軟性が失われてしまう状態のことです。血液のコレステロールなどが動脈へ溜まったり、高血圧によって血管に負担がかかったりすることで、動脈の新しい細胞が作られなくなり、動脈硬化を引き起こします。

血管が硬くなると、血液が送り出される圧力によって負担が通常よりかかりやすくなります。
「動脈硬化は中高年になってから起きる」というイメージを抱く方も多くいらっしゃるかと思いますが、実は10歳前後から徐々に進行し続けています。
動脈硬化を放置させると、進行して心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こされるリスクが高まります。また、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病がある方は比較的、動脈硬化も発症しやすいです。

動脈硬化の原因(危険因子)

動脈硬化は血中のLDLコレステロールが引き金になって生じます、もちろん、脂質異常症によるLDLコレステロールの増加は大きな原因の一つですが、以下のことでも動脈硬化の発症リスクは高まります。

  • 高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病
  • 栄養バランスの偏り
  • タバコ
  • アルコール
  • 過度のストレス
  • 加齢(男性:45歳以上、女性:閉経後)
  • 肥満
  • 運動不足

動脈硬化を起こすメカニズム

動脈硬化は以下のように、何らかの原因で内皮細胞に傷がつくことで、炎症反応が起きることで生じると言われています。

  1. 血中のLDLコレステロールが多いと内皮細胞が傷ついた時に、傷ついた部位から内皮細胞の内側へLDLコレステロールが入り込みやすくなる。
  2. 内皮細胞と血管壁の間へ入ったLDLコレステロールは酸化し、身体にとって有害な酸化LDLへ変化する。
  3. 酸化LDLは身体にとって有害なので排除すべき異物とみなされる。本来は、免疫細胞のマクロファージが酸化LDLを食べて排除しようと働くが、酸化LDLの量が多いと、マクロファージは排除しきれずに死んでしまう。
  4. 血中にLDLコレステロールが多いとこの状態を繰り返し、内膜の内側で「プラーク」という、マクロファージの残骸が粥状になったものが肥大化していく。
  5. このような状態になった場合、組織が硬くなる現象(線維化)が起き、動脈が硬くなってしまう。

動脈硬化が引き起こす疾患は?

動脈硬化を放置すると、脳や心臓の疾患を引き起こしやすくなります。場合によっては命に関わるため、迅速な治療が重要です。

冠動脈に血栓が詰まると

動脈硬化によって血栓ができ、その血栓が心臓を養う冠動脈を詰まらせてしまうと、狭心症や心筋梗塞を引き起こすことがあります。

脳や手足の血管に血栓が詰まると

脳の血管医血栓が詰まると、脳に必要な酸素や栄養が届かなくなり、一過性脳虚血発作や脳梗塞が引き起こされます。また、手足の血管が詰まると、手足(特に足先)にとって必要な酸素・栄養が届かなくなり、閉塞性動脈硬化症を引き起こしてしまいます。

弱くなった血管が切れてしまうと

脳の深部へ血液を送る動脈が切れてしまうと脳出血、胸やお腹にある大動脈が破れてしまうと大動脈瘤が起きてしまいます。

動脈硬化を予防するには?
おすすめの食事

動脈硬化を予防する対策として、アルコールやタバコを避けたり、こまめな運動を習慣化して行ったりする方法があります。そして基本的な対策法として、食習慣の改善も欠かせません。 以下のことに気を付けていきながら、動脈硬化を予防していきましょう。

LDLコレステロール・中性脂肪を
抑える食品を食べる

米やパン、麺などの炭水化物はできる限り、玄米やライ麦パン、蕎麦などの未精製雑穀にしましょう。未精製雑穀の食品には水溶性繊維が豊富に含まれていて、食後の血糖値上昇もゆるやかです。また、LDLコレステロールを低下させる効果も持っています。 また、サバ・イワシなどの青魚には、EPA・DHAなどの脂肪酸が含まれていて、これらはLDLコレステロールや中性脂肪を低下させる効果があります。また、大豆製品(納豆・豆腐など)も、同様の効果を持っているため、こまめに摂取しましょう。

一日三食、腹八分目を心がける

同じ量を同じ時間に、規則正しく食べるようにしましょう。お腹いっぱいになるまで食べるのではなく、「腹八分目」を心がけるようにしましょう。

早食い・ながら食べは避ける

噛む回数を増やし、ゆっくり食べるようにしましょう。また、何かしながら食事をするということは避けてください。

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